勤続10年のサラリーマンがはじめて「持株会」について調べてみた【メリット・デメリット】【よく出来た仕組み】
【調べてわかったこと】 ・給料天引きシステムは、よく出来た(恐ろしい)仕組み ・奨励金5~15%は、確定利回りなので魅力的(ただし複利は効かない) ・自社依存度が高くなるので、ワタシは活用しない方向 ・貯まっていた100株分(単元株)は、高値圏にありそうなので、売却する ・指定証券の開設ダルい…
— ユート@ズボラブロガー (@datu_syachiku) August 25, 2019
「持株会」にはメリット・デメリットがありますが、投資の観点からすると、かなり偏った仕組みになっているので、なあなあにせず、ご自身で判断をし、対策を打っていきましょう!
10年放置していたサラリーマンがはじめて「持株会」を調査したらわかったこと【メリット・デメリット】
先日こんなツイートをしました。
【勤続10年のサラリーマンがはじめて「持株会」について調べてみた(メリット・デメリット)】
— ユート@ズボラブロガー (@datu_syachiku) August 25, 2019
サラリーマンに特有の「持株会」
自社の株価(企業価値)が自分の利益が直結するため、仕事に対するモチベーションが高められるよく出来た仕組みです。
でも、会社と心中するつもりは無いので…
「持株会」には、メリット・デメリットがあるので、あなたも放置していたのなら、これを機会に投資判断をしてみてください。
《持株会のデメリット》
— ユート@ズボラブロガー (@datu_syachiku) August 25, 2019
・自社の株価が上昇しているうちには良いが、下降しだしたら…
・分散投資ではなく、超集中投資(持株会+給与も自社依存)
・売却に手間がかかる
・売却は100株単位でしか売れない(退会すればすべて売れる
ちなみに、ワタシは勤続10年・持株会歴も10年ですが、はじめて勉強し、行動を起こそうと思っています。
まず、手始めに月々の積み立て(拠出)額を 3,000円(3口)から、最低額の1,000円(1口)に変更。
解約したいのですが、Webで申請できず、なんかめんどくさそうなんです…。
でも、コレは中途半端な対応でダメですね。いま、書きながら思いました 笑
解約します!!ドンっ!
結論:持株会をやっているサラリーマンの対策方法は2つ
調べてみるとメリットだけではないな、盲目的にほったらかすのは良くないな、ということがわかりました。そこで、対策方法は2つにまとめられると考えます。
- 拠出額をコントロールし、単元株ごとに売却を検討する
- すべて解約し、自分で資産運用する
シンプルですね。
ワタシは、自社に偏り過ぎる投資を避けたいので(2)解約 を選ぶ予定ですが、(1)続けるのもアリだと思います。
ただ、10年放置する(!)ようなことはせず、自分の投資方針の中で「拠出額(月々の積み立て)」をちょうどよくコントロールし、100株貯まると解約せずとも一部売却できるようになるので、そのタイミングで毎回売却を検討していくことが大切だと思います。
ではもう少し詳しく、メリット・デメリットを確認していきましょう。解約をしようとするワタシの投資判断についてもご紹介しますので、参考にしてみてください。
そもそも「持株会」ってなに?
Wikipedia先生に聴いてみましょう。
持株会(もちかぶかい)とは、持株制度により株式を取得する組織である。持株制度とは、「金銭を拠出し会社の株式を取得する仕組み」である。
持株会の参加者は手間をかけずに少額の資金で投資ができ、会社は安定株主を形成できるというメリットがある。
(引用:Wikipedia)
メリット・デメリット の項目でも詳しく書きますが、
会社員にとっては、通常100株単位でしか売買できない上場企業株を1,000円単位の少額からでも投資できること、投資額に対して5%~30%(!)の奨励金という投資ボーナスが確定で付与されるといったメリットがあり、投資するインセンティブがあります。
また、会社にとっては、自社に投資してくれる株主を自社社員から確保できるだけでなく、自社でもっと価値を高めて株価に貢献しよう!とモチベーションを持つ社員を育成することができるワケです。
- 単元未満株の購入、少額投資ができる(あなた)
- 投資額に対して奨励金が5~30%付く(あなた)
- 安定した株主の確保(会社)
- 会社で働くモチベーションを高められる(会社・あなた)
株価=企業価値が上がって欲しい!上げる!しっかり働くぞぉー!!
これが狙いなワケですね。
一見、Win-Winの関係に見えますが、個人の「投資」の観点で見直すとどんなことが見えてくるでしょうか。
今回は、そんな観点から、ワタシの実際の投資判断も踏まえつつ説明していきます。
「持株会」のメリット・デメリット
持株会のメリットって何?
冒頭のツイートをごらんください。
《持株会のメリット》
— ユート@ズボラブロガー (@datu_syachiku) August 25, 2019
・奨励金5~15%という確定(高)利回り
・通常100株単位のところ、1,000円から投資できる(単元未満株の購入)
・給料天引きによる、手間の無さ
・自社の株価(企業価値)に目が向く
たしかに、われわれサラリーマンのためになるような仕掛けが持株会には用意されています。
ワタシのような投資初心者に強調できるメリットは「給与の天引き」「自社の企業価値に目が向く」の2点です。
給与からの天引きは、優れた貯金システム
お金を貯めるためのシンプルな成功法則は、「そのお金を無いものと思って生活する」です。
はじめから給与から引かれる=あなたの銀行口座に記録されないお金って使えないですよね? そして、きっと銀行口座の金額の中で生活しようと思うはハズ。
つまり、天引き分を貯金に回せば貯金が積み上がり、持株会に回せば持株が積み上がっていきます。給与天引きは、自動積み立て・自動資産形成システムなんです。
税金もね、おんなじ自動天引きシステムなんすよ…貯める方じゃなくて払う方のね、「自動吸い上げシステム」、お国の策略なんす…(関係ない)
投資のお勉強:最も身近な自社から企業の価値に目を向けよう
持株会をやることは、「自分の会社の価値:株価が上がると、自分の持っている資産も増える」ことです、自然と企業の価値とその評価価値としての株価の関係に目が向くようになります。
投資では、潜在的な企業価値と、株価のギャップを見つけ出すこと(企業価値の割にまだ株価が低い株への投資)が利益を出す方法の一つですから、企業価値と株価の関係に目を向けるのは大切なことです。
難しそうに見えますが、会社がどういうことをしていて、これからどういうことをしていくのか、社会からどう評価を受けるのかを感じることは、自社であれば比較的カンタンです。そこと「株価がどう連動しているのか」をチェックしていくだけですから、投資初心者にとってありがたい勉強材料にはなるはずです。
ウチ、株価が過去最高値に近いねん、斜陽産業やねん、創業社長が高齢やねん、後継者育ってないねん…
持株会のデメリットは?
では、反対にデメリットはなんでしょうか?
もう一度、ツイートを引用します。
《持株会のデメリット》
— ユート@ズボラブロガー (@datu_syachiku) August 25, 2019
・自社の株価が上昇しているうちには良いが、下降しだしたら…
・分散投資ではなく、超集中投資(持株会+給与も自社依存)
・売却に手間がかかる
・売却は100株単位でしか売れない(退会すればすべて売れる
ワタシたち、投資初心者が知っておくべきことは、投資の基本です。
キソ・キホン
投資もご多分にもれず、基礎基本がありますが、その中に「分散」があります。投資する商品の種類を増やす、たとえば国内の株だけでなく、米国や中国、欧州に加え、アジアなど発展途上国にも投資先を増やすようなことです。
ところが、この持株会は、分散に反した集中投資に当たってしまうんです。しかも、「超がつく集中投資」。
え、数千円からでもできるのに、なんで集中投資になるの?ビンボーなの?
いえ、実はあなたが自社に投資するのは、お金だけではありません。
サラリーマンは、働くということを通してあなたの大切な資産である時間・労力を自社の発展に投資し、対価として給与やボーナスを得ているんです。
すでに、あなたのポートフォリオ(割合グラフのようなもの)の中で、最大資本を自社に投資しているので、さらに持株会をプラスするということは火に油を注ぐようなものだったんです!
その他に、売却・解約がしづらいデメリットも。
会社側としては、身も心も自社に懸ける "運命共同体的" な社員を生み出す仕掛けになっていますから、売却・解約しづらくするのも当然かもしれないですね
筆者はどう判断したか?ワタシの投資判断と具体的な行動
そもそもの経緯・きっかけは?
こんな感じです。
正確には勤続9年目ですが、新卒入社ですから持株会歴も9年目となります。
新卒のワタシは、投資のトの時も知らないおバカやろうで、「よくわかんないけどやったほうがいいんでしょ!?じゃぁとりあえずキリがいいから3,000円で!」と勢いで決めたのでした。
20代後半にようやく投資やお金の勉強をするようになり、アンテナが広がったことで、先日届いた「明細」を見て、真剣に考えるきっかけができました。
自社の株価はたまに目にしていて、たまたま過去最高値に近いくらい高騰していたのも要因でしょう。
記事にしましたが、投資ではなく生活防衛資金という「貯金」を優先したくなった背景もありました。
参考記事:(投資初心者向け)投資家へのはじめの一歩は「生活防衛資金」を貯めること! - アラサーリーマンの仮想通貨【入門】
こうやって振り返るってみると、持株会の勉強をすることになったのもめぐり合わせのような気がします
ワタシの投資判断と具体的な行動
拠出額を最低ロットへ変更
これは既にやりましたが、ダメです。中途半端です。
「会社とのお付き合いだから月々1,000円なら」というマインドになっていましたが、投資の判断にお付き合いもクソもありませんね。
会社にとっては1,000円の拠出、1人の参加なんて大したメリットでもありませんし、自分にとっては1,000円も”されど1,000円”です。
ポタポタ水がたれ続けている蛇口を放置しろ!って言われたらどうです?
たしかに、それは気持ち悪いかも…
会社にはちょっと距離を置くようで気が引けましたが、狙いや意図のないお金を放置しては、投資家として成長することができない、と判断しました。
参考記事:前向きに活用してい人はいるの?
いくつか上げますので、コチラも参照してみてください。
参考記事:
参考記事:
判断するポイント:そこまで「集中投資」して良いの?
デメリットでも上げましたが、ズバリこれです、「集中投資」。
否!超・集中投資!!
え、月々数千円なのに集中投資?どういうこと?と思っていただいたらありがとうございます。
あなたが自社に投資しているのは月々の小さなお金だけではありません。
毎日通勤し、毎月給与をもらい、毎年ボーナス査定のためにがんばっていることがすでに「大きな投資」と言えるんですね。
そう、対価を得ようとあなたの大切な資産である「時間・労力」を投下しているのはまさに投資活動と言えます。
そして、サラリーマンは程度の差はあれ、あなたの人生の中でその資産を最大規模で投下しているでしょうから、すでにいちばん大きな「集中投資」を自社に対してしていることになります。
だからこそ、これ以上の投資が必要あるのか?投資の基本:分散投資の観点から判断する必要があると思います。
また、持株会をやることで、自社の株価はあなた自身の利益に直結しますから、良くも悪くも自社への依存度が高まります。仕事が順調!株価も好調!なら良いですが、万が一その逆になってしまったとしたら…。
ワタシは、この依存度が高まるということが、投資的な観点だけでなく、精神的な意味でも問題アリだと感じました。
まとめます。
- 一蓮托生!自社と運命をともにする覚悟があれば積極活用すべし!
- そうでなければ必要無し!
「持株会」のメリット・デメリットまとめ
細かいのはいろいろありますが、投資初心者のあなたに強調したいのはこうです
メリット
- 給与天引き・自動貯金システムとして優れている
- 新卒なら仕事をもっとがんばるモチベーションにもなる
- 最も身近な自社から企業の価値を知れる、考える教材になる
投資初心者、かつ、新卒で10年はサラリーマン業を本業として専念する!と決めている人には、持株会をおススメできるかもしれません。
デメリット
- 集中投資により、自社への依存度が高まる
良い時はパラダイスかもしれませんが、自分の自社に対して思いや、自社自体の業績が落ち目になったら、反面、地獄になる可能性があります。
具体的な対策案は2つ
- 拠出額をコントロールし、単元株ごとに売却を検討する
- すべて解約し、自分で資産運用する
でしたね。
ワタシたちサラリーマンは、すでに「労力や時間」という大切な資本を日々会社に対して投下し、対価として給与やボーナスを受け取っています。
つまり最大の投資活動を自社に対して行っていることと同義ですから、「集中投資」によるリスクの極大化(リターンも大きくなりますが)を避ける目的で、持株会はやらない・辞めることをワタシはおススメします。
実際、持株会を解約する流れも報告していきます。
感謝します!